[3月]お花見で吟じたい詩吟「桜の花の散るを詠める」


お花見シーズンにさきがけて、桜の詩をご紹介します。「ひさかたの〜」で始まる、百人一首にもあり、桜の詩で最も有名な和歌の一つ。平安時代の歌人、紀友則の「桜の花の散るをよめる」です。今から練習して桜の下で吟じてみましょう!



 ひさかたの 光のどけき春の日に
        静心なく 花の散るらん

(「桜の花の散るをよめる」/紀友則 850 〜 904)

▼意訳:
日の光がのどかな春の日に、桜の花はどうして落ちついた心がなく散っているのだろう。

▼解釈:
古今和歌集には、何かを何かに例える「見立て」というテクニックを用いた詩がたくさんあります。桜の花の散るのを落ちついた心がなく、と詠んだのは、桜の花に作者の心を見立てたのでしょう。桜を見てどう感じるか、毎年楽しみになる詩です。


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