[11月]紅葉を愛でながら吟じたい詩吟「山行」


11月はだんだんと葉も色づいて紅葉シーズンになりますね。真っ赤に染まる山々はそれはそれは美しいことでしょう。紅葉を見に山へ出かける方も多いかと思います。そんな紅葉を愛でながら吟じたい有名な詩吟「山行」をご紹介します。



遠く寒山に上れば 石径斜めなり
白雲生ずる処 人家有り
車を停めて坐に愛す 楓林の晩
霜葉は二月の 花よりも紅なり

▼通釈
晩秋のさびしい山に登っていくと、石の小道が斜めに続いていて、白い雲が湧いているあたりに人家が見える。車を止めて気の向くままに夕暮れの楓の林を愛でると、霜に打たれた楓の葉は、二月の花よりももっと赤いのだ。(「石川忠久 中西進むの漢詩歓談」)

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紅葉シーズンになると、思いがけず目に入ったもみじがびっくりするほど赤くて、毎回驚かされます。そんなとき、この詩の最後にある「二月の花よりも紅なり」という言葉がふと口をついてでる……。じーんときます。大好きな詩です。


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