■がんばりすぎが、声を出しにくくしている
声を阻むものは、こころとからだの「緊張」です。
私は、小さい頃から声が大きく、詩吟も意気揚々と吟じていました。
そのうち大会に出るようにもなったのですが、そこで勝てないという壁にぶつかりました。
いくらがんばって練習しても、高い声はかすれる、息は続かなく苦しくなってしまう、声は汚くなってしまう・・・
全くうまくいきません。
やがて詩吟の練習が楽しくなくなっていました。大会にでるのも怖い。練習でなんとかそこそこできるようになっても、本番でガチガチに緊張してしまい、結果が出せないという状態です。
息抜きにカラオケに行って好きな歌を熱唱すると、びっくりするくらい上手に歌えます。 趣味のバンド活動で多勢の前で吟じるときは、ほとんど緊張せずにのびのびと歌えます。
この違いは何なんだ・・・いったいどういうことか・・・!?
あるとき気がつきました。
勝たなきゃいけない成績を残さなきゃいけない、と思って頑張っていたのですが、そのように「頑張ってしまう」ことが、実はからだをこわばらせてしまっていて、結果的に声を出せなくしていたのです。
そこで考えました。どうにかして緊張をとく必要がある。
いろいろトライしました。心理本をたくさん読んで、思い込みの法則を使ったり、観客をジャガイモと思ってみたり、自信をつけるためにとにかく出ない声を酷使して練習してみたり・・・。
どれもあまり効果はありませんでした。
むしろ、間違った練習方法は余計に出なくなるだけで逆効果でした。
失敗と挑戦を繰り返した中で、ようやく見つけました。
しかも、その答えは案外簡単だったのです。
■まずは「ちくわ」になるべし
頑張り屋さんほどからだに力が入って緊張してしまう傾向にあり、がんばればがんばるほど声が出ないという負のスパイラルにはまってしまいがちです。
じゃあ、がんばらなければいいのか。
それはなかなか難しい。
では、どうすればいいか?
がんばらないのではなく、がんばりポイントを変えるのです。
それが、「ちくわ」になる、ということなのです。
まずはからだを整えてあげることさえできれば、自然と通る声が出るようになります。
本書では自分でも続けているし、生徒さんからも効果があったと評判の稽古術をたくさん紹介しています。
「緊張すると声が小さくなる」
「新入社員向けの研修を担当しているが、大丈夫だろうか」
「自信がなさそうにみられ、話しを聞いてもらえない」
「声が低くて響かないので、ノリが悪いと言われる」
「声が低いのが顔パーツと同じくらい悩む」
と、声に悩んでいた方も、
「以前は出そうと思っても出なかったが、今は出そうと思えば出る」
「今までは全く気にしていなかったが、自分の声を意識するようになった」
「スタバで注文が通るようになった」
「カラオケに行くのが苦痛じゃなくなった」
「上司とのつきあいも困らなくなった」
などの声も寄せられています。
正直、大声を出すこと自体は、そんなに難しいことではありません。コツさえつかめば、たった一日で、早くてたった15分で出るようになります。
それが自然とからだに身につくには、繰り返し長く続けることが一番です。
私はそれで、ほとんど緊張しなくなりましたし、いくら声を出しても疲れないからだになりました。
そして、とにかく、声を出すことが楽しくなりました。
高い声もいつの間にか楽々と出るようになっていました。
スタートラインに立って、ここからどう詩吟を上達させようか、どうやって人に思いを伝えていこうか、というワクワク感でいっぱいです。
『大声のすすめ。』は他のボイトレ・声出し本と違って、まずは「ちくわ」になって緊張をとき、「からだをゆるめる」ということにアプローチしています。
まず、声の悩みの根本を解消する。そこからが始まりです。
ぜひ、声に悩まない人生を送ってみませんか?
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