[5月]野外や宴会で吟じたい詩吟「武田節」




疾如風
ときことかぜのごとく
徐如林
しずかなることはやしのごとし
侵掠如火
しんりゃくすることひのごとく
不動如山
うごかざることやまのごとし

▼通釈
「移動するときは風のように速く、静止するのは林のように静かに、攻撃するのは火のように。隠れるには陰のように、防御は山のように、出現は雷のように突然に」という意。元は孫子の兵法にある。武田信玄の軍旗に記された「風林火山」の通称。

三橋美智也の有名な軍歌「武田節」の中盤にこの風林火山を詩吟で吟ずる部分があります。とても人気な歌でこの詩吟をマスターしたいという方が結構いらっしゃいます。

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詩吟の特徴である”ゆれ”や”こぶし”は風が吹いて木々の葉が揺れるように不定期で無抵抗なもののようにみえますが、実際には丹田というおへその下にある身体の中心を使います。

しかしいびきをかくように使っているので無意識、それ単体を意識で動かすことはできません。それではいったいのどうするのか。

吐露するような感覚で意識より先に声を出し、体内での声による響きと体外での空間の響きを身体で感じること。それを感じるには自然と丹田に力がこもります。

自分自身がずっしりと重たいお寺の鐘になったつもりで声の響きを皮膚感覚として感じることができれば、あとは自然と風が吹き木の葉が揺れるようになるのです。

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