初心者の方から経験者まで。ナチュラル詩吟道場のすすめ

「ナチュラル詩吟道場」の様子。

■「ナチュラル詩吟道場」とは?


通常の教室では、マンツーマンを中心とした少人数の稽古を行っていますが、この道場では、経験の有無を問わず多い時は10名以上で基礎の基礎からはじめ、一つの詩を参加者全員で一斉に吟ずる、ということを行っています。


詩吟を知らない方にとって詩吟とは、難しい古典の詩を伝統的なメロディで朗々と歌う、唸る、或は、ご年配の趣味というイメージがあるかもしれません。


しかし、道場で課題となる詩は、その開催月で吟じたい詩、例えば、1月ならお正月、春夏秋冬、あるいは今話題になっている事象にからめた詩などを中心に行います。つまり、古典は古典でも現代との接点を見つけることで、年齢や経験に関わらず身近なものとしてイメージしやすくなります。


そのような詩を知る楽しさ、声を出す楽しさをみんなで共有する。


これが今、古き良きものを大切にしながら、現代における詩吟の新たな楽しみ方の一つとして行っています。


■「ナチュラル詩吟道場」開催の理由


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① 気軽に詩吟が体験できるサロン作り
② 大きな声を出すレッスンになる
③ 合吟(みんなで一つの詩を歌う)が楽しい、ということ
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① 気軽に詩吟が体験できるサロン作り



詩吟をやってみたいと思った人にとって、気軽に体験できる場が見つかりにくいのが現状です。また、普段声を出す機会が減ってしまった現代人にとって、いきなり大きな声を出すこと自体に苦戦してしまうこともあります。


この道場では、詩吟初めての人でも声が出しすいように、詩吟の基本であるところの呼吸法や発声法も、都度、行っていきます。経験者でも一人で練習していると行き詰まりを感じることがあると思います。そんな方のための気づきや交流の場にもなればと願っています。

 

② 大きな声を出すレッスンになる 



また、詩吟の稽古が、大きな声を出すレッスンとして、結果的に日常生活に還元できることもあります。実際に詩吟を始めた方からは「会話で聞き返されることが減った」「就職活動や大学受験の面接に役立った」「周りの見る目が変わって仕事が増えた」「毎日活き活きと元気でいられるようになった」という声が上がっています。


※なぜ詩吟をやると大きな声が出るようになるのか

はじめは現代で使わないような古い言葉を前にして、詩や作者に興味が湧かなかったりすることもあります。しかし、声に出してその詩を吟じているうちに、詩からほとばしる"思い"のようなもの(これを"詩魂"と言います)を身体がキャッチして、何だかその詩が好きになってしまう、という現象があります。


現在ではおよそ普段お目にかかることのない漢字や、その音からは、その詩の意味を捉えることは容易ではありませんが、わからないからこそ、声に出す。声に出して詩を身体に染み込ませていくようにしていると、ある時ハッと気付きのようなものが見えてくる。


またそれが、詩吟をやっていくうちに、自分でも出したことのないような声が、身体のうちから沸き出てくる新たな体験と同時にやってきます。しかも、それは「感情を込める」とか「メリハリをつける」といった単純なことではありません。


詩に宿ると言われる"詩魂"を通じて、自分の新たな声の可能性に出会ってみよう!というわけです。


③ 合吟(みんなで一つの詩を歌う)が楽しい、ということ


道場では、複数人で同時に声を出す合吟(みんなで一つの詩を歌う)が中心です。合吟をやった人は、思わず「楽しい!」と叫んでしまいます。或は抑えきれないニヤニヤがもれてしまいます。


ある参加者の方は、「言葉以前の体験ですね!」と言いました。まるで、犬の遠吠えに犬が反応して遠吠えを重ねるが如く、言葉のいらないコミュニケーションの原体験に、生きる喜びのような感動を、声の振動を身体で感じながら得ることになります。


みんなで一斉に声を出すということは、息を合わせるということです。「せーの」と言って息を合わせると、一人ではとても運べないような重たい荷物をみんなで運べるように、みんなで声を出す(気を合わせる)ことで、一人で吟ずるだけでは生み出せないエネルギーが生まれます。


■道場参加者の声


2015年の1月から月1回ペースで開催しており、なかなか好評なので、道場参加者の声をご紹介します。


「声を出すことがとにかく気持ちいい」


「声を出すことの基礎に戻れる」


「周りの人につられて前より声が出るようになった」


「趣味が合う人が見つかった」


「今まで億劫に思っていたが、会社の人と会話できるようになった」


「詩吟で声を出すときや、道場終了後の飲み会でみんなと話すときの自分はいつもの自分ではないけれど、それも自分ということに気づいた」


***


ここで話は飛びます。


■声の力


だいぶ前ですが、レッスン中にある生徒さんから、「ミッドナイト念仏」なる、すこぶる面白いものがあるというお話しを聞きました。


「ミッドナイト念仏」とは、国宝である京都の知恩院三門で、毎年4月18日に夜通し行われる、念仏を唱えるイベントだそうです。


夜中の暗闇の中、木像の十六羅漢像にほのかに照らされた灯りだけで、来場者が順々にお坊さんたちと一緒に大きな木魚を叩きながらお経を唱えるというもので、その生徒さん曰く「圧巻」とのこと。


しかも、それまでにとても険しい石階段をのぼらなければならなかったり、寒い中待っていたりしていなければならなかったりして、かなり厳しい道のりなのだそうですが、その全体も含め「最高に面白い」 と。


そして、さらに凄いのはそのお経を唱えることで、それまでの疲れが吹っ飛んでしまう、という。


経を唱えることに集中していると、自分の声を聞く、ということももちろんやっているのですが、みんなでやっているので、その声自体がその空間に鳴っている、そのような中にいる、という不思議な感覚になった、ということでした。


私はこのお話しを聞いて、「ナチュラル詩吟道場」のことを思い起こしました。


この道場では、繰り返しになりますが、参加者が男女もごちゃまぜで一つの詩をみんなで一斉に吟じる、というものです。


先日開催した「ナチュラル詩吟道場」では、後半に、男女に分かれて各々練習してから、それぞれ発表をし、その後、聞く側も感想を言う、ということを行いました。


男性の発表の際に、声のボリュームが半端なく(天井がイーンと反響して崩れ落ちてくるのではないかという程)、凄まじいことになっていました。


それで、それを聞いていた女性陣にその感想を聞いてみると、「声に圧倒された」とか、「声にがしっとつかまれた」とか、声が届いている以上の、声が聞き手をつかむ程の威力が出た、ということに大変驚きました。


吟じた方の男性陣にそれぞれ感想を聞いてみると、「隣で吟じている人の声がもの凄く大きいので、なぜかいつもより声が出る気がした」、とのこと。


みんなで一緒に吟じることで、自分以上のパワーが発揮され、しかもそれが聞く人に届く声となっていた……。


これは、もしやミッドナイト念仏がどうしようもなく感動的な状態に近いのかもしれない。



声につかまれるというか、つつまれる感じ。



ここで重要なのが、お経や念仏を音として捉えたときに、もちろん、音楽としてやっているわけでないので音程がどうの、とうことは問題ではない、ということです。


とにかく、みんなが、各々の声でその言葉を唱えている。


それでも、なぜか調和がある。


調和とは、ハーモニーというもので、西洋音楽的にいうと、所謂美しくハモったりすることなのですが、念仏や詩吟では、それが全然なされていないのに、妙な調和がある。


そこに、アジア的な、というと単一ですが、もっと広大な、国などなかった時代の民族的な調和がある。


では、それに何の意味があるのか。


「ナチュラル詩吟道場」終了後、参加者のみなさんがどこかスッキリとして、なぜか新しい調和をみたような、お互いそんなによく知らないのにとっても仲良くなれたような、そんな感じがありました。


道場を経て改めて、詩吟が伝統芸能として観賞するだけではなく、自ずから声を出す、人とつながる、という面白さがある、という思いを強くしました。


まあ、とにかくとっても楽しいし、素晴らしく得体の知れない体験ができる、という確信があります。


■詩吟初めての方もご参加いただけます


「詩吟初めてだけど、ついて行けるかしら?」と不安に思う方もいらっしゃることと思います。ご安心ください。詩吟の中でも簡単なものを選び、毎回ゼロから 少しずつ吟じます。詩吟は1曲1分半程度です。これを細かく分けて、何度も何度もくり返し行います。経験者の方は、毎回基礎を積み重ねることができます。


また、複数人で同時に声を出すと、自分の声がほとんど聞こえませんので、思いっきり声を出すことができます(笑)。また、多少間違えても目立ちませんので、特に初めての方にもおすすめです。


何はともあれ、詩吟は声に出す歌であることには違いありません。みんなで歌えば楽しさは倍増します。ついでに、歴史や文学を知るきっかけにもなったり、声が通るようになったり、姿勢が良くなったりするので、一石何鳥にもなること請け合いです。


そして、たくさんの人に気軽に楽しんでいただけるように、2018年2月からは、初めての方も2回目の方も、何回も来ている方も一律1000円でご受講いただけます。


この機会にぜひ、詩吟を体験してみてください!!


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