ひさかたの 光のどけき春の日に
静心なく 花の散るらん
(「桜の花の散るをよめる」/紀友則 850 〜 904)
▼意訳:
日の光がのどかな春の日に、桜の花はどうして落ちついた心がなく散っているのだろう。
▼解釈:
古今和歌集には、何かを何かに例える「見立て」というテクニックを用いた詩がたくさんあります。桜の花の散るのを落ちついた心がなく、と詠んだのは、桜の花に作者の心を見立てたのでしょう。桜を見てどう感じるか、毎年楽しみになる詩です。
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