横浜で中華料理を食べながら吟じよう


暑さも幾分落ちついたかと思われる8月某日。快晴の山下公園は海風はあると言えども暑い。そんな中、男性が一人、海に向って朗々と何か唱えているようである。


「白鳥は〜あ〜あ〜〜〜〜〜〜」


叫んでいるようでもある。


「悲しからずや〜あ〜あ〜海の青〜」


「空の青にも〜染まずただよお〜〜」


若山牧水の和歌らしかった。横浜の空には白いかもめはいなかった。しかしながら、白い雲がぽっかりと浮かんでいた。


***


というわけで、先日、生徒さんたちが有志を募って「横浜で中華料理を食べながら吟じようツアー」を敢行してきました。


そもそもは、横浜・中華街で詩吟にちなんだ中華料理を出してくれるお店があるという情報を生徒さんが入手してきてくれたのが始まりです。


その名も、「五感で感じる!サプライズ・詩吟コース」(!!!!!)


参加者は男女6名(特別コースのため人数制限有り)。夕刻早めに集合して、山下公園で海に向ってウォーミングアップも兼ねて吟じてきた模様(上記写真)。


さて、いよいよお店に到着です。壷料理でも有名な横浜・中華街「金香楼」。人気の壷ランチはテレビでも紹介されたそうです。




まるで映画のセットのような内装!


さて、どんなお料理が登場するのでしょうか……?!




お料理の下に金魚が(!) これは、北宋の政治家・范仲淹の「江上漁者」という漁師の苦労を詠った漢詩をモチーフにしたもの。




孟浩然の「春眠暁を覚えず」で有名な「春暁」をモチーフとした「名古屋コーチンの四川風香り炒め」。 この続きに「処処啼鳥を聞く」とあるからでしょう。鳥のオブジェが乗っています。しかし鶏肉を食べるという……。




こちらは、「農家に感謝!特製黒チャーハン」。ぱっと見は「植木鉢の植物」。唐の詩人・李紳による農家の苦労を讃える漢詩「農を憐れむ」をモチーフとしたもの。




この泡を吹いているいかにもサプライズなものは「旬の味わい蟹料理」。中国のことわざがモチーフ。詩吟にはありません。




「黒酢入り酢豚の江雪仕立て」。唐の有名な詩「江雪」を見立てたもの。お店の方が白雪をまぶしてくれるそうです。


最後にデザート。煙もくもく花火までついて豪華です。煙がたちこめる李白の詩「廬山の瀑布を望む」 を吟じます。

サプライズ詩吟ツアー in 横浜・金香楼。詩吟にちなんだお料理が続々登場。李白「廬山の瀑布を望む」を吟じています。
Posted by ナチュラル詩吟教室 on 2015年8月22日


お店の方もびっくりで度々拍手が起こったそうです。中華懐石料理で量も丁度よく大変美味しかったとのこと。詩吟好きな方もそうでない方にもおすすめです。予約制の人数制限もあるそうなので事前にご確認ください。

▶「五感で感じるサプライズ!詩吟コース」 - 横浜中華街・金香樓



▶他の詩吟コラムを読む
▶無料体験レッスンのお申し込みはこちら
▶「詩吟女子:センター街の真ん中で名詩を吟ずる」乙津理風著(春秋社)