詩吟で吟じる詩歌

①漢詩

中国古代に生まれた「うた」。語調を整えるため、一句の字数を定めて配置する文字の組み合わせなどの制約がある。現存する漢詩で最も古いものは「詩経」であり、今から3000年前の「うた」である。

今日の詩吟で詠われる詩歌の大部分が、漢詩の中でも五字で四句(起承転結)からなる五言絶句や、七字で四句の詩からなる七言絶句を読み下したものである。














 例)「胡隠君を尋ぬ」/作:高啓(五言絶句)


②和歌

 日本古代に生まれた「うた」。詩型は五七五七七の31文字からなる。詩吟で吟ずる際は二度くりかえし、最初を序詠、次に本詠とする。















例)「櫻の花を詠める」/作:紀貫之(百人一首でも有名)


③俳句

室町時代に連歌からうまれたもので、詩吟で吟ずる際は後半の強調する部分を2回くりかえす。














例)「古池や」/作:松尾芭蕉(俳句)


④新体詩など

明治以降につくられた詩歌で語数が限られていない口語自由詩のこと。言葉の音色と内容イメージを調和させることが詩吟で吟ずる際の楽しみである。
















例)「初恋」/作:島崎藤村(新体詩)